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Sound of Wind Mill

思うまま 感じるまま を そのまま 言の葉や 絵の葉に のせて 気ままに 飛ばしています
奇妙な落し物-9

「転がって行ったんですか?」

脳内パニック状態の私とは違って、巡査は冷静だった。

「いや~ なんとなく転がったような感じで・・・」

青年が電信柱の辺りを再び調べた。

「そうですね・・方角的にはこっちのほうにコロリって感じがします。」

「名前がコロリ・・・」

もう私は完全にお手上げ状態である。
テレビのコントにしても あまりにもお粗末である。


「そうすると、位置的にはこの方向に転がっていった恐れがあると」

「そうですね」

二人は ごくごく真剣に 名前の行く先を調べている。


「この付近にないとなると、もう少し下まで転がった可能性もありますね。」

巡査は、しばらく電柱の周りを調べた後、立ち上がって言った。

緩やかな坂道の下を三人で見やる。

住宅街を縫うように細い道が続き、はるか先に海が見える。
海からの少し湿った風は、うだる熱気を少しだけ和らげてくれる。

「もう少し下のほうを探して見ますか」

巡査がゆっくり坂道を下っていく。

しばらく進むと、突き当りが小さな空き地になっていた。
道はそのすぐ横からまた下へと伸びている。

「真っ直ぐに転がって来たとなると、あそこで止まってる可能性が強いですねぇ。」


小さな空き地では、三人の子供が遊んでいる。



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