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Sound of Wind Mill

思うまま 感じるまま を そのまま 言の葉や 絵の葉に のせて 気ままに 飛ばしています
人間パンダ―15

私はとっさに田端君の腕をつかんだ。


「田端君もいっしょに帰らない?!」


すがるような思いで田端君を見つめる。


すると、美津井が、


「田端は逆方向だろ?

 わざわざ遠回りすることないよ、なぁ、田端?」


と、有無を言わさぬ声音で、ゆっくりと言葉を発した。

そして、その鋭い目で田端君の目を捕らえた。


しばしの沈黙。

緊張が走る。


「あ、ああ。

 それじゃあ、あゆみちゃんは、美津井にまかすわ!」


田端君が目を逸らして、私の腕をほどく。


じゃあ、また、とそそくさと帰っていく田端君。

私は、最後の頼みの綱が去っていくのを、
親に見捨てられた子供のような心細さで、見つめていた。


夜の街。

辺りの人通りはまばらで、近くを通りがかる人はめったにいない。


私は、とうとう、
あの パンダ と二人きりになってしまった。





  
  人間パンダ―前置き から読む
   http://oneofwing.blog70.fc2.com/blog-entry-155.html
  人間パンダ―16 を読む
   http://oneofwing.blog70.fc2.com/blog-entry-173.html






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